第4章 # 4n5
ここじゃなんだから。
そう言って工房に戻る様施してくれた達也さんに深く頭を下げて、四人で店を出た
サーフボードは置いたままでいいよ、って。
「レンタカー、借りてるんだ?
返して来なよ。宿は?取ってんの?」
「いや、こっちでラ…」
「…っ、まーくん…!」
慎吾の質問に返そうとした相葉くんを
カズが真っ赤な顔して制するから驚いた
「これから何処かホテルでも探そうかなって、思ってて、」
「ノープランなんだ? 東京へはいつ帰る予定?」
「明後日、です」
「じゃあさ、うちで寝泊まりしなよ。
工房兼自宅なんだけどさ、元々ペンションだったから部屋は余ってるんだ」
食堂だった一階はワンフロアにして、工房に。
二階のファミリータイプの部屋はリビングに、その隣りは僕の部屋として。向かいの部屋は慎吾の部屋として使っていた
慎吾の隣りの部屋は、達也さんや城島さんが酔い潰れた時用にと、ツインの部屋をそのままにしてある
「いいんですか?」
「いいよな、智」
「…うん、」
…変な、感じだ。
15年、だぞ…?
兄弟とはいえ、人生の半分を…僕達は別々に暮らしていたんだ
「…ホントにいいの?」
28にもなって、子犬の様に上目遣いで様子を伺う所は変わってない
「何言ってんだ、当たり前だろっ…」
…ぶっきらぼうに聞こえただろうか
本当は嬉しい癖に