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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第8章 在邇求遠


智side


身体の芯が疼く‥慾を求めて、自分ではどうにも出来ない程に、熱を訴えながら疼く。


ただのお酒だとばかり思っていたのに‥
まさかこんな‥

ああ‥、欲しい‥

欲しくて‥、堪らない‥‥


思考の全てを淫慾に支配されながら、それでも僅かに残った理性を振り絞って微笑み(えみ)を浮かべる。

そして仮初の愛で結ばれた男の腿に跨り、

「潤様‥っ、ぼくは貴方のものだ‥っ、ああっ‥貴方が、欲しいっ‥」

身体が求めるままに腰を捩って慾を強請った。

今にも零れ落ちそうな涙を、熱を帯びた目に溜めて‥


早く‥
この疼きを止めて‥


心で強く願いながら、次第に薄桃色に色づき始めた肌を見せつけるように、着物の襟を肌蹴る。

すると潤が僕の腰紐を解き、慾に塗れた僕の身を外気に晒した。

「慾に身体を濡らしているだけでは、俺は堕とせないぞ」


ふん‥、そう思っていればいいさ‥
いつまでも僕が思い通りになると思ったら大間違いだってこと‥

教えて上げる‥‥


「はぁっ‥っ、ん‥じゅん、さまもっ‥」

僕は胸に掻き抱いていた手を潤の頬に滑らせると、吐息が触れる距離まで唇を寄せて囁いた。

「一緒に‥堕ちましょう‥‥」

悦楽の底まで、僕と一緒に‥‥


差し込んだ舌先で潤の舌先を絡め取ると、掻き抱いた髪を滑り、その襟元へと這わせた。

まるで白磁のような肌は、僕の指先に吸い付くようにしっとりと汗ばんでいる。

僕は潤の腰紐を解き、前を肌蹴させると、淫らな雫を零す茎を潤の腹に擦り付けた。


「はぁ‥ぁっ‥、んんっ‥」

潤の淫慾を誘うように、跨った腰を淫らにくねらせる。

すると僕の太腿に、目を覚ました潤の慾の証が触れた。

僕はそこに手を伸ばし、やんわりと握り込むと、更に情慾を誘うように手を動かした。

「そんなことで俺が堕とせるとでも思っているのか?」


ふふ、そんなこと微塵も思ってないさ‥

でも‥


僕は潤の髪を撫でていた手を背中に滑らせると、腰の辺りに引っかかっていた潤の腰紐を掴んだ。
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