第9章 船上
「私が悪いんです……これじゃあ、わたし…」
青年が話し終わった頃、サヤはこう言い放った。
全てを知ったことにより、自分がディーヴァと同じだと言いたいのだろう。
人殺しだと。
悪しき者だと。
私はそんな罪の意識に苛まれているサヤに、加えて真実を伝えるため部屋に入っていった。
「そうね。あなたはディーヴァと同じよ。私たちは家族なんだから、似てて当然でしょ?」
私の声でサヤと青年の視線がこちらに向く。
「久しぶり、サヤ。初めまして今のジョエル。私はナリファイ、こっちはレイムよ」
青年がジョエルだと思ったのは単純にジョエルの日記を持っていたから。
青年の驚いた顔を見る限り、まずジョエルで間違い無いだろう。
「君は何故ここにいる?何者だ?私たちとはどういうことだ?」
焦り混じりの声で質問してくる青年に用意していたかのように言葉が出た。
「1つ目は忍び込ませてもらったから。2つ目と3つ目はこれからゆっくり話すわ。ジョエルの日記に関わる人を集めてちょうだい。1回しか言わないからできるだけ集めることね。それから、もう1つの日記を出して」
もう1つの日記…これは書いたジョエル本人にしか内容を知らないだろう。
だって、あれは……。
「何故その存在を知っている!?いや…しかし、あれは白紙のはず……」
やはりまだ白紙なんだという事実を知り、悲しさと安堵が重なった。
「それでいいわ」
さあ、過去の話でもしましょうか………。