第7章 CEO
私たちはテラスを挟んだ向こうの白い石畳に案内された。
そして血のこびりついたものから優美な白い古式の新しいドレスに着替えさせられたディーヴァと一緒にそこへ座る。
「会議かしら?」
「そうですね。シュヴァリエが集まります」
テラスの席の数と、その横にあるワイングラスの数からして人数は5。
グラスの近くにある氷水に浸けたワインボトルはこれから開けるのだろう。
私の近くにある首の取れたウサギのぬいぐるみからして、ここはディーヴァの拠点地であるのかもしれない。
これからシュヴァリエが集まるということはアイツも来るはず。
意地でも会いたくない…。
「会議なら私はさっきいた地下にいるわ。私に聞かれてはいけないでしょうし…。終わったらあなたが呼びに来てちょうだい」
「!?…わかりました」
ディーヴァを置いていくのは酷だが、仕方ない。
「姉様、どこ行くの?」
ディーヴァが不安げな顔をした。
「大丈夫。あなたの記憶が戻ったころに、またここにくるわ」
「いや!!私も連れて行って!!」
泣きそうなディーヴァを見ると負けてしまいそうになる…。
「ディーヴァはここにいないといけないの。私はあなたに記憶を取り戻して欲しい。私の為だと思って…ね?何かひどいことをされそうになったら、叫んで。すぐに飛んでくるから」
ディーヴァは一瞬ムスッとしたが、なんとか承諾してくれた。
「ありがとう」
私がディーヴァの頭を軽く撫でた後、レイとまた腐敗臭のする地下室に足を運んだ。