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【BLOOD+】meaning of life

第5章 誘い


マント男や背広の男ももちろんだが、パーティー会場に忍び込んだことすら気づかれると厄介である。

なるべく足音を立てずに走るよう努めるがヒールがあるため、どうしても完全には消せない。

なるべく踵を地につけないように…そんな走り方が側から見るとあまりにも辿々しく見えたらしく、あっさりレイに横抱きにされた。

レイに担がれてトラックを追っている途中、少し遠くにいた白いスーツで身を包んだ青年と視線が絡み合った。

その青年は外にいたが、学校からの光で照らされているためよく見えた。

ブロンドの髪の美しく儚いイメージの青年。


私は見つかったことに対して落胆しかけた。

しかし、青年は私を見るなり一度驚いた顔をして微笑を浮かべた。


青年の笑顔は関係ない私に無関心なだけだったのか、どうぞご勝手にという挑発だったのかわからない。

もしかしたら気づかれたというのも私の思い過ごしで、青年はただただ夜空を見上げ、その綺麗さに笑みを浮かべただけかもしれない。


とはいえ、その笑顔は鼻につくものだったのには変わりなかった。
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