第4章 沖縄
不法進入と物取り…犯罪だなと感じつつ、仕方ないので服を物色する。
サヤのフリルがついたドレスと近い色合いのトップに黒のロングコートを羽織った。
スカートやジーンズは動きにくいため、隣の部屋から短パンを借りた。
他の服を見ると子供っぽい物が多いので、栗色の髪の子のものだろう。
だとしたら、本来は膝あたりまで裾があるのかもしれないが、私が履くと膝上になる。
それでもサイズは丁度いいので、決定はした。
靴は履き慣れているという理由で変えなかった。
ヒールはあるが問題ないだろう。
「どう?」
レイに披露すると真顔で「いいんじゃないか?」と言われた。
乙女心がわからないやつだな…とため息を一つ零し、次の行き先を告げた。
「ベトナムね」
サヤはどこにいるかわからないが、ディーヴァは知れている。
そろそろ目覚めが近いだろうし、ディーヴァに会えばサヤの動きもわかるかも知れない。
「レイ、出発しましょう」
また手荒な手段で国を移動するのは気がひけるが、仕方がない。
家を出るとき、無造作に置いてあったラッピング用のリボンを指に絡ませてポケットに入れた。