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隣の君

第2章 天国から地獄へ


何が起きたのか解らず

呆然とする私を他所に


お隣さんと私の左手に握られていたはずの

ゴミ袋は

エレベーターに乗って

下に降りて行ってしまって



後を追いかけて私が下に着いた時には

お隣さんの姿は消えて


ごみ捨て場にはきちんと捨てられた

我が家のゴミ袋が鎮座していた…



何がどうなって

こうなったんだろう…?



確かにゴミ袋は重たくて

腕はぷるぷるしてたけど…




別に重いから持って下さいなんて

頼んでないし…



匂いが気になって

乗れなかっただけなのに…




余計なお世話だ!!

そう言って怒ってやるべき?



いやいやいや…(笑)


そんなことをしたら

後で何を言われるか解らない…



きっと言葉が足りなかっただけで

気を使ってくれたことに違いないんだから




きちんとお礼を言って

あと腐れなく円満なご近所関係を


いや…

大した関係ではないけれど

築いておくに越したことはない!




そんなことを

仕事中もずっとエンドレスに考えていれば


仕事が終わる頃には

ぐったり疲れはてているのは

当然で…



買い物をする元気もなく

癒しの天国たる我が家に

帰宅して


部屋着に着替えて手を洗い

冷蔵庫の残り物を抱えて

キッチンに立った…
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