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隣の君

第1章 私の天国


何かの勧誘…?

もしくは変質者…?


なんてパニクる頭を必死に落ち着かせ


「あの…どちら様でしょう…?」


そうモニター越しに

勇気を出して切り出すと



「隣に越してきたもんですけど…』



そんな予想もしていなかった返事が

返ってきて…



「あ…へ…あ…はい…』



なんて慌てて玄関に走り

扉を少し開けると



私より少し背は高いけれど小柄で

私なんかよりよほど華奢に見える

男の人とサングラス越しに目が合って…




「今日隣に引っ越して来たんで…』



そうボソボソと

聞こえるか聞こえないかの

小さな声で挨拶をする…




そんな怪しさ満点な隣人さんに



「ご丁寧にどうもです…(笑)」



今後のことも考えて

最大限に気を使い

そう言ってにっこり笑ってみたものの



そんな私の笑顔を前に

隣人さんはにこりともせず



「じゃあ…」



と短い挨拶をして

扉から離れて行く…



愛想のないやつめ…!!



なんて心の中で悪態をつきながら

締めようとした扉の隙間から…



少し離れたところから


"ぐぅ~"なんて豪快なお腹の音と


"腹へったなぁ……"


そうポツリと呟く隣人さんの声がした……
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