第2章 いつまでも~白子~
「お前達…」
白子さんは若干驚いていたようだ。先の戦いで全滅したと思っていたのだから。
白子さんは赤ん坊の頭を撫で、隠れ処を見つけるように命令する。
何かを諦めたように目を閉じる白子さんを見ていて、私はある決意をした。
「手紙?」
『はい。私と文通してくれませんか?』
『天火たちに黙っていろと言うなら決して口外しません。』
「もう俺たちが会うことはないぞ。」
『それでもです。すっぱり諦めるよりいつまでもしがみついていたいのです。』
「…はー、相変わらず頑固だな。」
白子さんは若干呆れはじめている。それでも私は引けなかった。
『…好きなんです。ずっとずっと好きなんです。』
「…知ってたよ。だからこそだ。他の男と一緒になった方が朝乃の幸せのためだ。」
『私の幸せは白子さんと共にあります!勝手なこと言わないでください!』
『好きなんです。…本当に好きなんです。』