rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第6章 rain of teardrop-6
兆しが出るのは、数日経ってからということはなんとなく知っていた。
当然、すぐに変化が起きるわけがないことも。
名無しは薬を飲み、深呼吸を何度かしながら身体を起こした。
汚された身体を自分でどうやってまともにして、解放されたあとは、どうやって帰るべきところへ向かおうか・・・。
まずは目も当てたくなかった下半身、足に絡みついたままだった自分のショーツに触れ、胸を覆っていた方の下着も整えようと手を動かす。
時間にしてみれば、一分、二分・・・そこいらだった。
その直後、明らかに今以上の熱が名無しの身体に渦巻いて、胸や臍の内側にはぶるぶると、官能を誘う歯がゆさが駆けまわった。
シルバーが彼女に飲ませていたのは、避妊薬ではなく、ただの淫剤だった。
「ッ・・はぁ・・・ハァ・・、嫌・・・っは・・」
「わざとじゃねえんだぜ?許せよ・・・ハハッ・・」
「あ・・・、・・んぐ・・・はぁ・・」
ベルトを締めていたのはあくまでフリ。
ちゃんと見てみれば、シルバーはそれを整えていないどころか、穿いていたもののファスナーさえ上げてはいなかった。
その中に覗く下着からは、明らかだった立体的な形。
幾度となく出し、満たされていた筈ではと名無しが疑いたくなるのも当然だったけれど、それ以前に精一杯だったのは、自分に起きた変化に対してだった。
状況に気持ちも追い付かず、余裕なんてあったものじゃない。
火照る一方だった身体に名無しはシートの上でひとり悶え、革ばりのそれに儚くも爪を立てた。