rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第36章 the beginning of hell
『痛……っ…、や……』
『……ちょっと休むか』
『!?……え…』
『、……あァ?なんだそのカオは』
『っ……休…まなくても、べつにわたしは、その……ん!!』
『じゃあ休まねえよ……文句言うなよー?イッてもやめてやらねえからな』
『……ッ、…ア―――』
シャッター音が鳴らなくなったシルバーの携帯は、いつそれが押されているか名無しには見えなかったし、分からなかった。
わざわざ見せて、というのもおかしな話だし、むしろ見たいなんて微塵も思わない。
携帯を握るシルバーは嬉しそうな顔をして、文字通りヘラヘラとでも形容しておけばそれがよくあてはまった。
名無しが激しい打ち付けに襲われていたとき、ふと片目を開けて見上げると、時々自身の唇を舐めながら目を細めている彼の姿があり、強く印象に残った。
『ふ、……んん…』
抱き起こされて眉を顰めたのは、何度目かのシルバーによるそれが行われていたから。
自分でも引くほど甘露は垂らしていたし、それは後ろにもよく伝っている。
ゆえに彼の指を飲み込むことにも慣れ始めていたのだけれど、どうしても指の数を増やすと、名無しは全身を強張らせ、シルバーを拒んでしまっていた。
件にシルバーが怒り散らさなかったのは、名無しへの惚れ込みの深さと、彼女の言動がわざとじゃないとわかっていたからだろう。
もともと、中指一本を飲み込んでいることには既に満足していたし、怒鳴る理由だってないことは明白だった。
それをシルバーが自覚しているということも、何より大きかった。