rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第31章 wrong step on the stairs5
「あ……だめ…イ……――…ッ!!」
達くということは、また道を違え、正しいと思ってのぼっていた階段を自ら踏み外し、落ちてゆくということ。
広くて到底届かなくとも、シルバーの背に自身の細腕をまわす。
ぎゅっと抱きつきながら身体の奥に注ぎ込まれた、貪欲で、そして濃厚な彼の白濁色が泳ぎゆく感触を覚え、名無しは分け与えられた絶頂にひとり身悶えた。
「ハーー……たまんねえ…」
「――んぁ……ハ、…はぁ……も…だめ…こんな……」
「ハッ……しがみついてダメはねえよなぁ…。腕剥がさねえとよ、ほら……また勃っちまうぜ?オレ様」
「!!」
「~……フッ……ちょーっと遅かったな?ご愁傷様……ってやつだ。今度はまたこっちだ」
「ッ……!あ……」
またこのまま……。
夢中になって、気が付いた頃に見る窓の外の景色はきっと、朝靄のかかったそれだろう。
耳に触れられた厚い唇で、改めてピアスがついている感触を確かめられる。
もう自分からは拒めない、突き放せない……。
この虚しい関係をいつまで続けたら良いものかと思う傍ら、名無しはシルバーの身を押し返すことはその日も結局出来なかった。
ベッドでただ、彼と共に堕ちるだけだった。
wrong step on the stairs5
20191004UP.