第7章 『会いたい』
『・・・・・・・・・』
「まあでも、来週には会えますもんね!それじゃあ切りますね。うち、これから私と江先輩達2年生とで来年の作戦会議なんです。それじゃ、失礼します」
あまり長電話しても迷惑になってしまうので、話を切り上げることにした。宗介さんの声を少し聞けただけで、なんだかもっとやる気がわいてくるから不思議だ。私は気合いを入れて、部活に向かった。
その日は、『部室でやってもつまんないし、怜ちゃんちでやろう!』と渚先輩が言い出して、急遽みんなで怜先輩のおうちにお邪魔することになった。
8割ぐらい脱線したけれど、みんなでワイワイと、来年の新入部員獲得に向けて何をしようか、なんて話し合いをした。
「ヒカリちゃんは?何かいい考えある?」
「えっと・・・新入生の獲得ももちろんなんですけど、今の1年生にも入ってくれる人がいるといいなあって。この学年私一人だけだし」
江先輩に私は正直な気持ちを伝えた。
私の学年は部員は私一人だけ。やっぱり同じ学年同士で楽しそうな渚先輩達を見ると、少し羨ましいなと思ってしまう。
「なるほど!それもそうだね」
「そうですね、新入生だけでなく、在校生にもアピールできるようなものにしたいですね」
渚先輩達も頷いてくれて、さらに話し合いを進めていく。
「ねえねえ、ヒカリちゃん!前からずーっと聞きたいなあって思ってたんだけど、宗ちゃんってどんな人なの?」
真面目に話し合いをしていると思ったら、渚先輩が突然私に話を振ってきて、思わず飲んでいたお茶を噴き出しそうになってしまった。
「っっ!・・・・・・な、なんですか?急に」
だ、ダメダメ!こんな恥ずかしい話なんてできるはずがない。脱線しないでちゃんと話し合いましょうって言わなきゃ。
「あ!それはぜひ僕も聞きたいと思っていました!」
「うん、私も聞きたーい!!」
だけど、なぜか怜先輩や江先輩も興味津々で話に加わってくる。
「ええぇ?!い、いえ、江先輩幼なじみじゃないですか、なんでそんな・・・」
「だって、ヒカリちゃんといる時の宗介くんがどんな感じなのか知りたいもん。ねえ、渚くん!怜くん!」
「うんっ!」
「はいっ!」
う・・・先輩方3人がとても期待に満ちた目で私を見つめている・・・