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いちご☆恋模様 PART2

第7章 『会いたい』


「あ、宗介さん?私です」

授業が終わって、部活に行くまでの時間、私は宗介さんに電話をかけた。鮫柄もちょうど同じ時間ぐらいに授業が終わるから、今なら大丈夫かな、と思ったからだ。

『おお、ヒカリか。どうした?』
「え?えーっと、特に用事はないんですけど・・・宗介さんの声が聞きたくって」

低くて優しい宗介さんの声が聞こえてきただけで、嬉しくなってしまって、思わず自分の気持ちを素直に言ってしまった。

『お前・・・結構恥ずかしいこと平気で言うよな』
「だ、だって本当のことだし・・・そ、それに宗介さんがあんまりそういうこと言ってくれないから、私が言うしかないじゃないですか。もう・・・」

電話の向こうの宗介さんの声が少し照れているのがわかる。私もなんだか恥ずかしくなってしまって、少し可愛げのない言い方をしてしまった。

『は!・・・そうか』

それでも宗介さんは笑ってくれる。
ただ声を聞いているだけなのに、どんどん大好きな気持ちが溢れてきてしまう。





「えっと、文化祭の準備、忙しいですか?」
『まあな。もう来週だからな・・・あんま俺はやりたくねえんだけどな』

ここ最近、宗介さんとは電話でのやり取りがほとんどだった。水泳部の出し物の準備で、今とても忙しいらしい。

「もう、そんなこと言っちゃダメですよ。うちの先輩達もみんな、鮫柄の文化祭、とっても楽しみにしてるんですから」
『・・・ああ』
「あ!もちろん私もすっごく楽しみです!」
『はっ!・・・ああ、わかってるよ』


あまり詳しくは聞いてないけど、宗介さん達水泳部は喫茶店のようなものをやるらしい。それも楽しみだけど、宗介さんがいつも通ってる学校の中に入れるのもなんだか嬉しい。


「・・・あ、でも・・・・・・」
『どうした?』
「えっと・・・最近、会えてないからちょっとさみしいかな、って・・・電話で話すのも嬉しいけど、やっぱり宗介さんに会いたいなって・・・」

つきあい初めてからずっと、なんだかんだで週の半分ぐらいは宗介さんに会ってきた。それがここ10日ぐらいは、電話やメールだけで直接会えていない。仕方ないことだけど、やっぱりさみしい。宗介さんの笑った顔とか、大きな手とか、恋しいなって思う。電話で声を聞いていると、もっとそう思ってしまう。
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