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いちご☆恋模様 PART2

第6章 ジンベエザメの試練 みたび


「す、すごい雨ですね・・・わっ!!」
「っ!・・・大丈夫か?急ぐぞ」
「は、はい。ありがとうございます」


どしゃぶりの雨の中をヒカリと二人、鮫柄の寮に向かって走る。水たまりに足を取られてヒカリが転びかけたが、手を繋いでいたおかげでなんとか支えてやれた。そのまま、また寮へと急ぐ。



「はぁ・・・やっと屋根のある所まで来れましたね」
「ああ、天気予報じゃずっと晴れだったんだけどな」


やっと寮の入り口のところまで辿り着いた。
ポタポタとお互いの身体から雫が垂れる。傘なんて当然持っていなかったし、雨を避けられる物といえば鞄ぐらいで、それもほとんど役にたたないほどの雨だった。


「わ!スカートまでびっしょびしょ・・・あ!携帯、大丈夫かなあ」
「とりあえず中入って、タオル貸してや・・・・・・」


携帯を出して確認しているヒカリの方を見た瞬間、言葉が止まってしまった。


「?どうかしましたか?宗介さん」
「あ、いや・・・お前・・・それ隠しとけ」


きょとんとしているヒカリ。そんなヒカリの方を見ないようにして、胸元を指さしてやる。


「へ?・・・きゃっ!・・・や、やだ、もう・・・」
「・・・・・・」


びしょ濡れになったシャツが透けて、その下のピンク色の下着がはっきりと見えてしまっていた。慌てて胸元を隠すヒカリ。だけどもう遅い。はっきりと見ちまった。もう見ないようにしてるのに、心臓が少しずつ早鐘を打ち始める。
上着でもあれば貸してやれるが、生憎隠してやれそうな物は何も持っていない。


「・・・俺の部屋まで我慢しろ」
「っ・・・はい・・・」


こんな姿のヒカリを誰かに見せるわけにはいかない。幸い、今日はうちはオフだから寮には人が少ない。急げば大丈夫だろう。


とりあえず管理人にだけ、許可をとろうと受付を覗く。緊急事態とはいえ、勝手に女を部屋にあげるのはまずいだろう。だが、受付には『ただ今、留守にしています』の札があるだけだった。


「あ、でも急にお邪魔して凛さんにご迷惑じゃないですか?」
「・・・いや、あいつは今日実家に帰ってるから」


そういえば凛が珍しく外泊許可をもらっていたことを今になって思い出した。



・・・これはやばい。

頭の中で危険信号が鳴り出した。
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