第3章 Happy Birthday!
「っっ!・・・ばか、何でかい声出してんだ」
「えぇ?!なんで?!・・・な、なんで・・・誕生日・・・」
「・・・いや、なんで、って今日俺が生まれた日だから、誕生日だろ」
・・・何言ってんだ、こいつは。なんで誕生日なのって、そんなの俺が決めたことでもねえし。
だが、ヒカリが言っているのはまったく違うことだった。
「違います!そういうことじゃなくって!!・・・なんで今日誕生日って、教えてくれなかったんですか?!」
「ああ・・・・・・いや、別に。ガキでもねえし、誕生日ではしゃぐ歳でもねえだろ」
凛達が祝ってくれるのはまあ嬉しいが、正直なところはどうでもいいと思う。小学生じゃあるまいし、誕生日なんてただ単にひとつ歳をとるだけの日だ。だから別にヒカリにも特に教えたりはしなかった。だけど、どうやらヒカリはそれが気に入らなかったみたいだ。
「だ、だって・・・私、何もプレゼント用意してないし・・・さっきのパフェだって私がほとんど食べたのに、宗介さんに半分払わせちゃったし・・・」
「そんなのいいって言ってんだろ?・・・まあ、気にすんな」
「宗介さんが気にしなくっても、私が気にするんです!!・・・もう、なんで言ってくれないかなあ。もっと早く言ってくれればよかったのに・・・」
なぜヒカリがこんなに怒っているのかさっぱりわからない。顔を真っ赤にさせながら、頬をふくらませて、怒っているその姿はまるで・・・
「・・・・・・お前、今いちご大福みたいな顔になってんぞ・・・はははははっ!」
・・・ああ、そうだ。『いちご』がふくれてるんだから、『いちご大福』だ。
かなりうまいことを言ったと思うし、ヒカリのふくれっ面も相当面白かったから、俺は腹を抱えて大笑いしてしまったのだった。