第3章 Happy Birthday!
「はぁ〜〜、美味しかった・・・宗介さんももっと食べればよかったのに」
「・・・いや食えねえだろ、普通・・・お前、ホントすげーわ」
満足そうに腹を擦りながら店を出てくるヒカリ。こいつがよく食うのは知ってるつもりでも、毎回驚かされる。
でっかいパフェを見つけたので食ってみたい、とヒカリが言うので、俺達はとあるカフェに入っていた。正直あんまりそういう店には入りたくない・・・というか雰囲気的に俺が似合わなすぎて気が進まないが、ヒカリが嬉しそうに食ってる姿を見るのは悪くないから、つきあってやった。
「今度はあれ、いきましょう!・・・でもさすがにお昼ごはん、半分ぐらいにしないと無理かなぁ」
「・・・さすがのお前でも腹壊すだろ。やめとけ」
今日ヒカリが食ったのは通常のパフェの3倍ぐらいのもので、店のショーウインドーにはさらにバカでかいパフェが並んでいた。ヒカリが指さしたのは、バケツほどのでかさのものだった。
・・・絶対怒らせるから口には出さないが、なんでそんだけ食っといてでかくならないんだと俺は言いたい。
「・・・えっと、この後どうしますか?」
店を出て二人でぶらぶらと歩いているとヒカリが聞いてきた。
ちなみにここは鮫柄学園に近い街中だ。岩鳶の近くは特に店も何もないので、俺達が会う時はヒカリがこっちに出向いてくれることのほうが主だった。その代わりに帰りは俺がヒカリを家まで送ってやっていた。
「あー・・・俺、そろそろ寮に戻るわ。今日は凛達がお祝いしてくれるんだとよ」
携帯で時間を確認する。もうそろそろ寮に向かったほうがいい時間だった。
「お祝い?何のですか?」
「・・・ああ。俺、今日誕生日だから。凛と愛と百が・・・」
「っへ・・・」
携帯をしまいながら、ヒカリの質問に普通に返事をする。すると、ヒカリが妙に間の抜けた声を出した。一体なんだ、と思っていると、
「っえええええええええ?!!!!」
次の瞬間、周りの人間がみんな振り向くようなでかい声をヒカリがあげた。