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いちご☆恋模様 PART2

第25章 ふたりの、初めて。 その2


ヒカリの様子がおかしい。いや、こいつは元々色々変わったところが多いやつだけど、それにしてもおかしい。
さっき、こいつは昼飯を一人前しか食わなかった。いや、それが当たり前だ。そうなんだが、普段牛丼の特盛をペロリと平らげて、『ちょっと物足りないかも』なんて言ってる奴だぞ、こいつは。


「・・・ヒカリ。お前、ホントにもう具合悪くねえのか?」
「へ?は、はい!この通り、すっかり元気ですよ!もう!宗介さんたら、さっきからその質問、何回目ですか?」
「あー、いや・・・元気ならいいんだけどよ・・・」


・・・やっぱりおかしい。声も上擦ってるし、目がなんか泳いでるし、無理矢理明るく振る舞ってるというか・・・
ショッピングモールの中、隣を歩くヒカリを見下ろしながら考える。

昼飯を終えた俺達は、近くのショッピングモールまで来ていた。建物の中ならあたたかいし、映画館も併設されてて時間を潰すこともできる。病み上がりのヒカリがもし疲れてしまっても、すぐに休ませてやることができる。夕方ぐらいまで適当に過ごして、ヒカリの調子が良ければイルミネーションでも見に行こうということになっていた。



・・・・・・それにしても、この前、ヒカリが俺の目の前でぶっ倒れた時はかなりビビった。身体は燃えてるように熱いし、熱を測ってみたら40℃もあるし。
さすがに俺一人では対処できないから、悪いとは思ったが、あいつの携帯から母親の番号を探して連絡を取り、急いで帰ってきてもらったのだった。

江から聞いた話だと、ヒカリはそこからしばらく高熱が続き、ずっと学校を休み続けたらしい。やっとヒカリから電話が来たのが20日の夜だった。
病み上がりだし、もし無理そうならイヴの予定を取り消してもいいと俺は提案した。だが、ヒカリが『絶対に大丈夫です!!』とまたしてもバカでかい声で言うので、それなら・・・と会うことにしたのだった。


だけど、飯をあんまり食わなくて、終始こんな調子なヒカリを見ていると、まだどこか具合が悪いんじゃないかと不安になってしまう。

この前倒れちまったのだって、もしかしたら原因は俺、かもしれねえし。
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