第23章 すてっぷあっぷ? おまけ
「あ!そうそう!言うの忘れてた!」
「っっ!!!」
勢いよくドアが開いて、思わずでかい声を上げてしまいそうになるのを必死で堪えた。
「ヒカリの部屋、階段上がってすぐのところだからね」
「あ、は、はい・・・」
「・・・ふふふ。それぐらいもう知ってたかしら?」
「い、いえ・・・」
「それじゃあね、宗介くん!」
バタンと音を立ててドアが閉まると、今度こそ本当にヒカリの母親は行ってしまった。
まるで台風か何かが過ぎ去った後のように、家の中は静かになった。
「・・・・・・ふはっ!!!」
しばらく呆然としていたが、気付けば噴き出してしまっていた。
さっきの感じ・・・初めてヒカリに会った時とそっくりだ。
ころころと表情が変わって、気付いたらあいつの勢いに押されていて・・・確か、『山崎宗介のばーか!』とか言われたんだっけな。
「あいつも将来、あんな感じになるのかな・・・はっ!」
ヒカリとヒカリの母親、そっくりな二人を同時に思い浮かべて、俺はもう一度笑った。