第20章 悩める季節 その3
「はぁ〜〜・・・」
やっと期末テストが全教科終わり、私は安堵のため息を吐いた。そんな私に、友人の一人が話しかけてきた。
「ヒカリ、テストどうだった?」
「え、えーっと、赤点は回避できるかな・・・みたいな」
「えぇ?!普段、もっといいよね?どうかした?」
「ううん、何もないよ!」
「何か顔色悪いし・・・風邪?」
「いや、ホント大丈夫だから!気にしないで、あはは!」
なんとか笑ってごまかしたけれど、朝からなんだか頭がフラフラしている。期末のための勉強と、この前からずっと悩んでいることとで、眠れない日が続いていたから、そろそろ限界かもしれない。
でも、問題のクリスマスイヴは本当にもう目の前だ。そして、結局宗介さんはずっと、その日は出かけると勘違いしたままだ。
・・・いや、それはちゃんと訂正できないでいる私が悪いんだけど。
だけど、その勘違いについてはなんとかなるんじゃないか、って私は思ってる。少しだけどまだイヴまで日にちはあるし、最悪当日になって、『やっぱりうちに来ませんか?』って言えば多分・・・宗介さんには伝わるんじゃないだろうか。だって、宗介さんはそもそも私のことを待ってくれてるわけだし、いくら天然って言っても・・・うん、大丈夫だろう。
それよりも何よりも問題なのは私の覚悟の方だ。そこが一番大事なところなのに、どうしてもどうしても覚悟が決まらない。
勢いで決めちゃってそこに向かって進んでるわけだけど、本当にいいのかな、とか・・・・・・それよりも想像するだけでもう恥ずかしいし、やっぱりなんか怖いしで、このままだといざという時に私、逃げ出してしまうかもしれない。
そんなことしたら優しい宗介さんも、さすがに呆れてもう嫌われちゃうかもしれない。
そんなの絶対イヤだけど、でも恥ずかしいし怖いし・・・
だって宗介さんがああなって、こうなって、それで私がああなって、こうなるわけで・・・・・・
・・・どうしよう、もうイヴになる前に私、爆発してしまうかもしれない。