第19章 悩める季節 その2
「・・・っは!相変わらず面白いな、お前」
『お、面白くないですよ、もう・・・』
他の奴にこんな態度を取られたら本気で腹を立てているかもしれない。だけど、それがヒカリだと面白い、と思う。俺じゃ思いつかないおかしなことをぐるぐると考えて、ちっこい身体でなんか奮闘してる。本当に飽きさせない奴だと思う。
その後、少しだけ話をして電話を切った。俺のところもヒカリのところと同じぐらいに期末だし、結果によっては補習でクリスマス自体がダメになってしまうかもしれない。まあ、風邪ひかないように頑張れよ、ってことで電話を切った。切った・・・・・・・・・んだけど、あいつ最後までなんか様子が変だったな。ずっと何か言いたげ、というか・・・
イヴの日に出かけたい、ただそれだけじゃねえのか?
・・・・・・クリスマスイヴ・・・・・・なんかいつもにも増して様子のおかしいヒカリ。
・・・・・・・・・まさか、な。いや、ない。それはない。あいつはガキだ。俺はあと半年ぐらい・・・下手したら年単位で待つ、ぐらいの覚悟でいる。なぜならあいつはガキだからだ。
・・・・・・だからない。でも・・・・・・今日のあいつの態度が気にかかる。何か言いたげな、何か気付いてほしそうな態度・・・・・・
・・・・・・いや、変に期待するのはやめよう。これまで散々寸止めを食らって、痛い思いはしてきたはずだ。
・・・期待はしない。とりあえず目の前の期末を頑張る。
それでいい、それで・・・・・・・・・
・・・・・・・・・でもまあ、3%ぐらいは期待・・・しておくか・・・・・・