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そんな目で、見ないで

第3章 暴かれた○○


放課後を知らせるクラシックがスピーカーから流れる。
みんなはカバンをまとめて帰ろうとしているのに私だけは手に束になったプリントと小テスト、ノートに筆箱を持っていた。

「摩耶子、ごめん、先に瑛美と帰ってて」

「分かったあ、補習頑張ってね〜」

摩耶子はふらふらと手を振り、陽気に鼻歌を歌いながら私に背を向けた。
数学なんてものはこれだから大嫌いだ。
こんな数式を計算してなにが楽しいのだろう。
補習教室の前に立ち、私はドアを開けた。

「こんにちは」

完璧な微笑み。私はその微笑みにすら八つ当たりしそうになるが、ここはぐっと堪えた。
教室の机を2個ずつ2列にくっつけて、1つの机にはすでに先生の私物が置かれていた。
私は二個あるうちの右側に座り、プリントの束を一枚めくった。

「これから一週間、あなたには私と残っていただいてもらってこのプリントを終わらせます。どうやらあなたはとても二次関数が苦手でいらっしゃいますので、出来るようになりましょう」

なにかの問題集をコピーして貼り付けたと思われるプリントはきっと15枚近くある。
こんなものを毎日やるだなんて頭がおかしくなりそうだ。

「さあ、始めましょう」
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