第3章 イレギュラー門発生
木虎が駆けていき、横で空閑と三雲が話しているのを尻目に蔵馬は、昼間とは違う嵐山隊に似た隊服のトリオン体に換装する
『私は行くけど、三雲くんは?』
「僕も行きます…空閑、頼む」
「やれやれ、オサムは面倒見の鬼だな。自分は無鉄砲に突撃するくせに」
返事を聞き、三雲でも追いつける速さで蔵馬は先に走り出す
蔵馬とは少し離れたところで三雲は救助活動を進める
三雲がトリオン体でも動かすのが大変な瓦礫を運ぼうとしているのを見つけ、助けようと近づくとレプリカを通し空閑が黒トリガーで三雲のトリオン体を強化したのを見つけた
『(へぇ、面白いことできるのね)…急いで避難をしてください!救助ができてないところをご存知の方は…』
「先輩!向こうのデパートの方がまだみたいです!」
そう言った三雲に頷き、 了解と返してから木虎がいるイルガーの方を一瞬見上げデパートへ向かう
道中でも市民を助け、後は地下堂へ向かうだけなので指示を優先する
『(落ちてくる…なんとかなるとは思うけど)皆さん、地下堂へ急いでください!』
あとすこしで街へ落ちる…という所で、イルガーは川へ引き戻される
落ちた瞬間、凄い音とともに川から衝撃あがる
川から木虎が上がってくると、市民にお礼の言葉を言われている三雲を睨む
「(また 市民相手にポイント稼ぎ… 優等生ぶって、そんなに人気者になりたいわけ)っ!?…先輩」
そんな木虎の肩に蔵馬はポンと手を乗せ、笑ってから下へ降りる
すると三雲がこちらへ気づき
「彼女です、皆さん。彼女がネイバーを倒してくれたんです」
三雲がそう言うと市民は嵐山隊の木虎だ、と彼女へお礼の言葉を言う
そんな声が多い中、一部の市民は
「うちの店は壊されちまったんだぞ!」
「うちのマンションも」
と次々に文句を言い立てる
するとずっと黙っていた蔵馬が
『ネイバーによる新手の攻撃です。詳しくは近々ボーダーから発表があると思いますので、損害の補償の関する話はその時に…木虎』
「はい。C級隊員は下がってなさい、私たちが対応するわ」
市民の対応をする2人の後ろで三雲は市街地への被害に目をやった
そこへ空閑が現れ
「ここから先は、ボーダーのお手並み拝見だな」