第7章 Happenin
先程までの悲しさは何処へやら、今はただ自分を抱きこんでる男に対して苛立ちしかなかった。
こんな時、女なら恐怖を感じていたかもしれないけど、今自分が男だからか、ただただイライラしかしない。
「離せッ!!」
「怒った顔も可愛いねボク」
「やめろッ!!」
向きを変えられ男の顔が自分へと近づいてきて本気で吐き気を感じた。
ゾワゾワと身体には鳥肌が立ち、嫌悪感で可笑しくなりそうだ。
初めてがこんな酔っ払いのしかも男なんて絶対に無理だっ!!
そう思って必死で抵抗するのに中々抜け出せない。
暴力はダメだとか、騒ぎを起こしたらマズイとかそんな事は何処かへ飛んでいく。
思考がパニックを起こしていると、男の顔が目の前に近づいた。