第10章 好意
「キスねぇ・・・・はっ!?なっなによ突然」
「何となく」
「はぁ?・・・・好きだから、かしら?まったく変な事言ってないで早く寝なさい」
「あ、うん」
パンタッと部屋のドアが閉まり静かになる室内。
『好きだから』
母親の言葉が頭の中をグルグルと回る。
好き?俺が男の優仁を?
なにを馬鹿なと笑い飛ばしたいのに、できない。
好きか嫌いかで言うとそんなの100%好きだと言える。
大親友だとハッキリ言える。
だけど、その好きとはきっと違う。
そしてその違う好きを俺は優仁に対して抱いてる。
違うから困ると言った優仁ももしかしたらそうかもしれない。
そう思った瞬間、顔が熱くなった。
これって所謂両想い?
そう思うだけで物凄い恥ずかしくなった。
やめよう、考えるの。
これ以上考えたらおかしくなりそうだった。
意味も理由も今は考えない。
なんだか、そのほうがいいと思った。