第1章 *
真ちゃん嘘つくの下手だよなー。
ま、たまにはいっか。
「…わかった、じゃあまた明日なー」
「ああ」
そういって、別れた…フリをした。
真ちゃんめー。
なんで一緒に帰れねーんだ。
一緒にいたかったのに。
寂しいじゃん。
帰れなかった理由をつきとめなきゃ帰れねーって。
ぶつくさいいながら真ちゃんをつけて試合会場だった学校から一番近い駅まで戻ってきた。
でも、だ。
真ちゃんの家は真逆。
やっぱり俺がいなきゃダメだなぁ。
そんなことないだろーって自分にツッコんでいたら
真ちゃんが改札の前で誰かに手を振ってる。
ん?
…?!?!?!
し、し、真ちゃんが女の子と?!!!!??
親し気に話して・・・わ、笑ってる。
なんで?!
なんでだ、真ちゃん!!!!
…俺が知らない顔を女の子に見せてる真ちゃん。
ダメだ、心が折れそう。
…真ちゃん。
なんで、追いかけられない?
今すぐ抱きついて
俺のものだ!
っていえばいいじゃん。
…言えない。
あーあ。泣きそう。
なんで?
…真ちゃん、俺とはなんだったんだ?
…明日からどんな顔して会えば?
どうやってバスケやればいいの?
真ちゃん、真ちゃん、真ちゃん!
「くっ!」
…俺はその場から走り去った。