第3章 「対面」
あっという間に、部活は終わってしまった。
すると……武道場の入り口には、彼女がいた。
俺は、彼女に近寄った。
彼女……闇璃だった。
「どうかしたか?闇璃?」
「今、弓道部が終わったところなので、剣道部も終わったのかと思いまして…。それで、様子を見に来たので…。」
「そうか、今終わったところだから、一緒に帰るか?」
俺が誘って、彼女は微笑んで頷いた。
俺は、急いで帰り支度をした。
彼女を一緒にいることは、とても楽しいからな。
あっという間に片付け終わって、彼女の下に行った。
「お待たせ!」
彼女は、頷いて歩き始めた。
校門を出て、彼女は今夜の夕ご飯の話になった。
俺は、少し悩んでいた。
「そうだな…。麺類が欲しいかな…。」
「麺類ですか…でしたら、スパゲティーでいいですか?」
スパゲティーか…懐かしいな…。
俺は、頷いた。
すると…彼女は足を止めた。
俺は、そのことに不思議に思った。
そして、俺の方を見て…。
「瀞哉さん、何かありましたか?」
心臓が跳ねた。
闇璃に、バレたのか?
そんな顔をしていたのか?
俺は、その質問には黙ってしまった。
「…何かあったかは、知りませんが…元気を出してください。」
そして、再び彼女は歩き始めた。
俺は、彼女の背中の後に続いた。
心臓を掛けてしまったみたいだ。
この後の会話は、ほとんどなかった。
~瀞哉の家~
俺は、彼女に家を通した。
早速彼女は、台所に立ち調理を始めた。
彼女の料理は、美味しいからな……。
そうだ、そろそろ彼女に何かお礼をしないといけないな。
いつも俺を助けてくれるからな……。
俺は、闇璃に尋ねた。
「なぁ、闇璃、今、欲しい物とかあるか?」
彼女は、いきなりの質問にキョトンとしてしまったが……。
数秒後、考えて言ってきた。
「そうですね…やっぱり、桃です!」
「桃?…森の奥にある奴?」
彼女は、頷いた。
彼女の好きな食べ物は、桃か……。
そうか……今度採りに行こうかな……。
そう思っていると、スッとスパゲティーが目の前に置かれた。
完成したみたいだ。
とても、美味しそうだ……。