第3章 「対面」
そう考えていた。
早く、平和にならないかな……。
~放課後~
今日……部活か。
俺が、しっかりしないと部長として!
思わず、手に力が入る。
俺は、武道場へ歩き始めた。
~武道場~
さ~て……部員は揃ったかな。
顧問の先生が来て、皆が集まり始めた。
先生は、俺に部員表を渡してきた。
それを、受け取って確認をする。
……あれ?
1人、足りないような気がする。
俺は、今ここに集まっている部員を数えた。
……やっぱり、1人足りない。
1年生か?
俺は、顧問の先生に尋ねた。
「先生、1人足りないです。」
先生は、それに気づいたように、俺と同じ人数を数えた。
やっぱり、いないみたいだ。
「誰か、この子知らないか?」
俺は、そう皆に尋ねたが、皆は首を左右に振るばかりだ。
おかしいな……1人でも知っているはずなんだが……。
すると、脳裏から……あの笑い声が聞こえた。
『クククッ、ほら、早く探さないと…殺すよ?』
紫の文字が、宙に漂った。
「っ!?」
死神の声が、直接俺の脳に聞こえた。
そして……。
「皆は、自主練するように!俺は、探してくる!」
俺は、先生の止めの声を、無視し武道場を抜け出した。
早く、見つけないと……あの子が死ぬ!
死神が居そうな場所……。
足が止まって……。
っ!
ま、まさか……。
俺は、校門に向かって走り出した。
俺は、今まで以上のスピードを出した。
ここからの距離は、遠い。
だけど、殺されては困る……。
これ以上、犠牲者を出したくはない!
死神も、よく考えた事だ。
夕方とはいえ、まだ人は沢山いる……。
人が、寄り付かないところは……あの森しかない。
しかし……どうやって連れて行くんだ?
誘って行くのか?
そんな事は、難しいはずだ。
考えても仕方ない。
俺は、校門を出て無我夢中で走った。
そのおかげか、森には、結構早く着いた。
そこから、ゆったりと歩き始めた。
死神の気配を感じながら……。
そう思ったら……。
ヒュゥ~……。
風の音が聞こえた。
俺は、見上げた。
「っ!?」
俺は、咄嗟にかわす。
ストーンッ!