• テキストサイズ

死の道へ

第3章 「対面」


そして、扉が開いた。

拓弥は、俺に挨拶をした。

「おはよう。瀞哉。」

と言って、俺に近づいて……。

「昨夜、死神…出たらしんだ。」

もう、そんなに広まっていたのか……。

仕方ないか、元々広くない町なのだから……。

俺は、その事には頷いた。

サッカー部の男子が気になる。

「今回もダメみたいだった。サッカー部の男子…大量出血で亡くなった。」

……やっぱり、死んだのか。

なんだか、責任を感じてしまう。

もしかしたら、助けられたのかもしれないし……。

やっぱり、俺の心の中では後悔しているんだな。

そう黙ってしまった。

「瀞哉?どうした?」

拓弥は、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。

俺は、慌てて笑顔を作り言った。

「だ、大丈夫だから。」

なるべく心配されたくないからな。

「そ、そうか…。悩み事ならいつでも相談に乗るから。」

と言って、拓弥は自分の席に、座った。

俺は、ここで疑問に思った事がある。

拓弥以外の人がいない事だ。

あの死神は、拓弥以外の人間がいるから退いたのだ。

しかし、今……拓弥しか教室に入って来なかった。

どういう事だ?

俺は、拓弥に聞いた。

「拓弥。お前以外に一緒に登校した奴いたか?」

そう尋ねたら、拓弥は不思議そうな顔をした。

「いや、俺、1人で登校したよ?」

……おかしいな。

じゃ、何故……あの死神は拓弥以外の人間がいるって言ったんだ?

現に、拓弥しかいないし……。

なんか、まずい状況になったからか?

あいつは、嘘を付いたのか……。

そう、深く考えてしまった。

拓弥の声も、耳には入って来なかった。

「…哉…瀞哉!」

やっと、拓弥の声で、我に返った。

拓弥は、心配そうな顔をしていた。

「本当に、大丈夫か?」

どうやら、俺は顔にも出るタイプなのかもしれない。

俺は、拓弥には大丈夫だ。と言った。

これ以上、心配掛けたくはないし……。

死神の戦いは、恐らく今夜もだろう。

その前に、犠牲者が居なければいいんだが……。

だから、俺は強くならないといけないな!

そう思っていると、次々の教室にクラスメートが入って来た。

今日の授業が、始まったな。
/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp