第1章 ルイ様専属騎士、参上!!
ルイ様の恥にならないように姿勢を正して気を引き締める。
それでもやっぱり心臓がドキドキ鳴ってて、周りに全部聞こえているんじゃないか不安になる。
ルイ様の後について城内に入ると、まずは騎士団の稽古場へと向かった。
棒が空を切る音と、男の人の掛け声がして心臓の音がもっと大きくなった。
「アラン」
「ルイ、ここに顔出すなんて珍しいな。どうした?」
ルイ様が名前を呼ぶと、癖っ毛の鎧を着た男の人が振り返って近づいてくる。
2人とも敬語なしで話してるってことは、仲がいいのかな?
「会議が終わるまで、この子を預かっていてほしい」
「あ?…誰だ?」
男の人が私を見て首を傾げる。
ルイ様が私の背中に手を回して挨拶をするように促した。
固唾を飲み込んで姿勢を正す。
『ルイ様の専属騎士をしています。シャロット=マーティンです。初めまして』
「マーティン…?」
私の名前に何かあったのか、男の人が私の名前を繰り返して眉を寄せる。
「…まあいいか。俺はアラン=クロフォードだ。騎士団団長をしている」
目を丸くした。
どう考えても歳はルイ様と同じくらいなのに騎士団の団長を務めているなんて…。
それ程の実力者と言う事かな?
凄い!流石ウィスタリア城の騎士団!