第1章 *
「『今月はホワイトデー特集! 気になる彼からのお返しは?! 最近では男の子同士が送り合うこともあるとか…?』…なるほど」
俺の恋人。
海常高校主将、笠松先輩。
先輩とはバレンタインから付き合ってるんスけど
俺としたことが、
告白に精一杯でチョコを渡すの忘れてたんスよー。
ちゃーんと、作ってたんスけど…。
でも!
俺にはもう1回チャンスがあったんス!
それが今日!
ホワイトデー!
今日の部活のあと、家に呼ぼうかなと思ってるんスよ!
それで2年の下駄箱で待ってるんスけど…。
あ、きた!
今日も灰色のブレザーがよく似合ってるっス。
背は小さいけどそこがまたかわいいし
青くて綺麗な目も大好きっス。
「黄瀬?」
「おはようございまーす!」
「お、おはよ」
今日も元気だなとハニカムと、
「2年の下駄箱なんかでどうしたんだ?また女子の呼び出し…か?」
そう言うと先輩はめちゃくちゃ不安そうな顔してる。
「んなわけないっしょ?先輩に会いにきたんスよ」
「…ん…ならよし」
先輩柔らかく切ない笑顔で頷いた。
やっぱ心配…なのかな。