第2章 うしろのしょうめんだーぁれ
最初見かけたときもこんな妙な雰囲気だっけ? あの、地下で初めて見つけた時。
……レベル低い奴等ばっかだなーとか思ってた中で、一人だけ妙に目を惹いた。別格だったとかいうんじゃなくて特殊だった。その感覚は確かに覚えている。
面白そうだったから話しかけようと近寄ると何時の間にか別のところに移動してた。
――へぇ、判るんだ。
感づかれたかと警戒もしたが、小物ばかりな中でその反応が気になっていたのも事実。
二次試験終わりの時に声をかけたが、その時は別にこっちに注意を払うでもなかった。
警戒もしていないし、不自然に馴れ馴れしくしたり、探るような動きも見られない。これが意図しての行動ならうまいもんだ。
……まぁとにかく、得体が知れない。だから油断ならない。
ちなみに、よく見たら、プレートには「1」の数字があった。
会場一番乗りって事は、それなりに試験に慣れている奴なのか、それともただ単に運が良かったのか。
さっき聞いてみたら、試験はこれが初めてだ、と言った。
「え、一番?」
エレンはじっとオレの顔を見つめていた。
何のことかまったくわかってなかったようなので、それだ、とプレートを指さしてやるとようやく頷いた。呆けてんのか大物なのか。
特になんの感慨もなさそうに自分のプレートを見たあと、俺のプレートを見てぱっと笑った。
「あ、足して100!」
「……は?」
今度は俺がぽかんとする番だった。
そんなことは聞いてない。確かに俺の番号は99だけど。
はぐらかされたんだろうか。