第2章 クリスマス・イヴ
クリスマス・イヴの夜。
ユイは先にノエルの部屋に行き、ノエルが仕事から帰ってくるまで、たくさん料理を作っていた。
夜、ようやく仕事を終えたノエルが帰ってくる。
「ノエルさん! おかえりなさい」
ユイはドアに駆け寄り、笑顔でノエルを迎える。
ノエルは少し驚いた顔をしていた。
「今の、もう一回言って」
ノエルは少し赤くなって言った。
「・・・? ノエルさん、おかえりなさい」
ノエルはユイの腕を引き寄せて抱きしめる。
「わっ」
「・・・ただいま」
ユイの耳元で囁き、おでこにキスを落とす。
ノエルに触れられたところから火がついたように熱がともる。
ノエルの唇が頬へと滑っていく。
「・・・んっ」
柔らかい唇の感触につい声がもれてしまう。
「ノエルさん、ダメ・・・ここ玄関・・・」
ノエルの唇が首筋へと移行しようとするのをユイは必死で止めた。
「そっか、せっかくの2人きりのパーティーだし、ご飯食べてからだね」
ノエルはコートと帽子を脱ぎ、ユイが受け取る。
「おかえりって言ってくれる人がいるってなんかいいねー」
ノエルはニッコリ笑ってユイの頭を撫でた。
(・・・なんか、新婚さんみたい)
ノエルのコートをハンガーに掛けながら、ユイは赤くなっていた。