第10章 みつなり
「もう少し自分を見ろ。
確かに俺や政宗は誰とでも話すから、町の者も親しみを覚えてくれてる。
しかし、町の娘たちから、おまえも親しみ以上の視線で見られてるんだぞ?」
「…親しみ以上の視線、ですか…?」
言われて初めて気付いたようで、三成は意外そうな表情で答える。
「ここの若い女中達も、三成、おまえに憧れているやつが多いって事だ」
「…そう…なん…ですか?」
本当に意外だ、という表情をし、三成は秀吉を見る。
「そこまで自覚がないと、どこかでおんなを泣かせてる可能性もあるかもな」
秀吉はふと、茶化すように言う。
「わ、私がおんなのかたを泣かせるなんて…
そんな事全くないはずです」
慌てて三成は否定する。
「まぁ、良い。とにかく自分をよく見ろ。
思ってる以上に、おまえは慕われている、という事だ」
「…そう…なんでしょうか…」
三成の表情は戸惑いを隠せていなかった。