第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
「姫凪…アカン?」
『わ、分かった!!
せやから…離して…!
近いねん!!』
真っ赤になった顔
今にも涙が零れそうな
潤んだ目
「ホンマ!?
言うたで?!
今更アカン言うでもアカンからな!!」
俺の必死が伝わったって
疑わんかった。
『言わへん…けど…』
「ん?なんや?」
『なんもない!
とりあえず離して!
心臓止まるわ!』
「大袈裟な…
チャント止まってるやんけ」
渋々腕を緩めると
『当たり前やろ!
ホンマ…侑は…!』
勢いよく身体を離して
キャンキャン吠え立てたと
思いきや
『…なにしに来てん…アホ…
ホンマ…余計寝られへんくなるわ…』
急に顔を背けて
鼻を啜る姫凪