第2章 紅雷とヘリオス
ヘリオスsid
奴隷として買われて、連れてこられた場所はでかいでかい城
足を動かす度にジャラジャラと音を立てる鎖はもうない
オレよりも小さくて細い女の振りかざす小さな剣でもあの忌々しい鎖は切れた
この世の中なんでも起こるもんなんだな
最初に風呂に入れられて、次に飯を食わせてもらった
そう簡単に出された食い物なんて警戒すべきなんだろうけど、空腹には勝てなかった
「紅雷様がお待ちです」
あの細い女の名前はこうらいというらしい
移動している時に聞こえた話し声
"あの女は煌帝国で生まれた訳では無い"
"忌々しい深緑の髪"
"常識のない九皇女"
そんなにいやな色か?
紅雷サマとやらと対面して思ったこと
深緑の若干くせっ毛の髪、すごく綺麗だと思うけどな
これからオレをどうするのかと聞けば、故郷に帰りたいなら送っていく、と
この女はバカだ
奴隷の使い方をてんでわかってない、そう思う反面、すごく嬉しかった
そりゃぁ帰りたいさ、生まれた場所ってのに
けど、オレは生まれた場所も知らないし自分の名前すら知らない
元主はオレのことをファナリスって呼んでいたけどそがなんなのすら知らない
だから、この女に仕えることにした
だから名前をくれと頼んだ
そしたらあろうことか神の名前をくれた
太陽神ヘリオス、あなたの目が太陽のように見えるから
本当にバカだよこの女
オレなんかに神の名前をくれるだなんて、本当にバカだ
この日、オレ ヘリオスは生まれた