第13章 ☆Story11☆ ドラマ撮影スタート
それから撮影は順調に進み今日の分の撮影は無事終わった。
「お疲れ様でしたっ」
(さて……喉も渇いたし自販機で飲み物でも買おうかな……
そういえば、藤ヶ谷さん……あれからずっと……)
ゆりはタイスケがいないか見渡した。
見渡しタイスケを見つけたが……
「じゃあこのままMステの撮影に行くよ。」
「はい。」
だが次の生放送収録のため、他の出演者たちより早めにマネージャーと共に現場を離れるようだ。
そしてタイスケたちとすれ違うゆり……。
「ゆりさんお疲れ様です。」
「お疲れ様です……」
「……。」
ゆりとタイスケのマネージャーはすれ違う際に挨拶を交わしたが、
タイスケは特に挨拶することなくマネージャーと共に現場を後にした。
「……。」
(……もう、私のこと嫌いになっちゃったのかな……せっかく、お兄ちゃんができたみたいだったんだけど……
でも、これでいいのかもね……)
ゆりはタイスケの後ろ姿を見送ると、飲み物を買いに自販機に向かった。
「あれ?ゆりちゃんどこ行くのー?」
「あ、涼介さん……ちょっと飲み物を買いに……」
「じゃあ俺も行こうかなー……ちょうど喉乾いてたからさ。」
「いいですよっ」
涼介と共に飲み物を買いに行くゆり。
_自販機前
「うーん……やっぱ俺はいちごオレかな♪」
「涼介さん、相変わらずいちご好きですよね。
私も好きですけど……今日はさっぱりしたい気分なのでレモンサワーにしますっ」
自販機にコインを入れ、それぞれ飲み物を購入。
「……そういえば、途中から藤ヶ谷くんとイマイチ雰囲気あれだったけど……何かあった?」
「っいえ……」
「……そう?いつも、ゆりちゃんといる時すごい楽しそうにしてたからさ……」
「っ……」
「それが急に、笑顔がなくなったというか……」
「……。」
「……言いたくないなら、いいよ。
撮影には、特に影響なかったしね……」
「……。」