第13章 ☆Story11☆ ドラマ撮影スタート
タイスケside
ゆりちゃんに誰からかLINEの通知が来たようで、何故か俺から体をそらす彼女。
それに違和感を覚えた俺は、思わず覗いてしまった……。
「ねぇねぇ、誰と会話してんの?」
_ビクッ「っ!?」
案の定ゆりちゃんはびっくりしている。
「っちょ、藤ヶ谷さん!
勝手に見ないd.「三船……?」っ……」
画面1番上には『三船憲吾』と表示されていた。
三船って、あの三船?
「だから、勝手に見ないでください……
プライバシーっていうものが……」
「三船、憲吾……もしかして、こないだの……?」
「っ……そう、ですけど……それが、どうかしましたか……?」
あの、済ました顔をしたあいつ……。
「……。」
そう思うと、急に苛立ってきた。
あいつはてっきり、ゆりちゃんには少しも興味がないって思っていたけど……
でなきゃ、わざわざ連絡先の交換なんて……しないはず……
あいつのようなタイプなら、なおさら……
「っ……急に、どう「いつからこんなに親しいわけ?」っそれは……」
さすがに恋人同士はないと思う。
それでも、最終的にはそうなる可能性だって……
「……あいつのこと、好きなの?」
「っ……」
君は、アイツのことが好きなの……?
俺じゃなくて、アイツのことが……
「ねぇ……」
「っ……」
彼女の表情は、そう物語っているように感じた。
「……図星、なんだ……」
「っ……」
俺から目を逸らすゆりちゃん。
どうやら、図星っぽい……。
「……ねぇ、あいつと俺の差って……何なの?
俺には、何が……足りないわけ……?」
ねぇ、俺には何が足りないの……?
教えてよ……。
どうすれば、俺のことをちゃんと見てくれるの……?
「……。」
ねぇ……何か、言ってよ……。
そして間も無く、あいつから彼女へまたメッセージが届いた。
『もし怖い思いをしていたらごめん。』
やりとりを見てる限り、結構親しそうな2人……
余計ムカムカする……。