第13章 ☆Story11☆ ドラマ撮影スタート
「あ、LINE……っ!」
「ゆりちゃん、急にどうしたの?」
「い、いえ……」
(三船さん……)
どうやらLINEの通知は憲吾だったようだ。
ゆりはタイスケに見られないよう体を別方向に向けた。
「え!急に体反らしてどうしたの……?
なんか地味にショックなんだけど……(涙)」
「っ……」
(一体なんだろ……もしかして、こないだの班田さんのことかな……)
ゆりは画面を開き……
『急に悪い。
特に変わった様子はないか?』
「……。」
(やっぱり……班田さんのことだ……とりあえず、今の所大丈夫だけど……)
『はい、大丈夫です。
事務所にも伝えてあります』
『なら良かった
でも油断はするな
あいつは見かけによらず執念深いからな』
「執念深い、か……」
「ねぇねぇ、誰と会話してんの?」
_ビクッ「っ!?」
どうしても気になっていたタイスケはゆりの後ろから顔を出しスマホの画面に目を向けていた。
思わず肩をあげるゆり。
「っちょ、藤ヶ谷さん!
勝手に見ないd.「三船……?」っ……だから、勝手に見ないでください……
プライバシーっていうものが……」
「三船、憲吾……もしかして、こないだの……?」
「っ……そう、ですけど……それが、どうかしましたか……?」
「……。」
タイスケはさっきまでの穏やかな表情と一変し、険しい表情でスマホを見ていた。
「っ……急に、どう「いつからこんなに親しいわけ?」っそれは……」
今度はゆりにその険しい表情を見せるタイスケ。
「……あいつのこと、好きなの?」
「っ……」
「ねぇ……」
「っ……」
(っなんだろ……今の藤ヶ谷さん、すごく怖い……何でかな……もしかして、
メガネまでかけてて、パパに見えてるせいかな……)
「……図星、なんだ……」
「っ……」
タイスケから目を逸らすゆり。
「……ねぇ、あいつと俺の差って……何なの?
俺には、何が……足りないわけ……?」
「……。」