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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第14章 Floor B2 ー地下2階ー





「……あーあ。馬鹿なやつ。

 …………あぁ、悠。
 ごめんよ、起こしてしまったね……。

 でも、君のその不思議な左目でも、
 僕は良いんだよ?」



立ち上がったダニーが、
俺ではなく俺の背後に視線を注いでいることに気がついた俺は、
少し視線を背後に向けた。


「……悠。」


悠は、ふっと笑った。

その表情は、何とも言えない綺麗さと儚さを
兼ね備えていて……

何故か俺の胸を締めつけた。


『……悪くはない条件ですね。
 ダニー先生。』


悠のそんな言葉に、俺は驚いて
体ごと勢いよく振り返った。

そこには、静かに佇む悠が立っていた。


「悠!?
 お前、何言ってんだっ‼」

『……私は、この左目が大嫌いです。』

「……君は、
 何をそんなに怒っているんだい?」

『…………全てに…____』


俺をよそに、
ダニーと悠だけで話は進んでいく……。

よく見ると、
何故か悠の左目は、
血みてぇな赤に染まっていた……。


「あはは。
 ……悠、君は本当に……。

 とても不思議だ。

 その、真っ赤な瞳も、美しい……。
 感情に応じて、色が変わる……。」


一瞬驚いて、左目を片手で覆おうとした悠だったが、
俺がその手を捕まえた。



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