第14章 Floor B2　ｰ地下2階ｰ

「…………まぁ、いいさ。」


落ち着きを取り戻したのか、
落ち着き払った声音でダニーが話し出す。

ダニーは更に続けた。


「彼女が生きていることはわかってる。
　……君が、そんなボロボロの悠と、
　このフロアまで来られたのが、その証拠さ。

　……あぁ、そうだ。
　ザック……。

　君も、悠を助けたいだろう？
　もちろん、君も生きていたいはずだ。

　……ひとつ、提案をしてあげよう。」

「……あぁ？」


ダニーの声に、俺は少し戸惑って
声をあげた。

……こいつが、協力するとは思えない。


「……実は僕、
　薬をたくさん持っているんだ。

　その薬で、
　悠と君を助けてあげようか？」

「……？」


「____…………レイチェルの目をくり抜いて、
　俺に差し出してくれるなら……ね。」


……何を言い出すのかと思えば…。

相変わらず、気色の悪いことを言うやつだ。


「……さっき、
　俺はレイの目に興味なんかねぇって言ったが……

　ありゃやめだ。

　笑うも泣くも、目ん玉がなきゃあ……
　つまんねぇよな。

　だから、目玉だろうが、何だろうが……。
　テメェにやるもんは1つもねぇよ……っ‼

　ここから出たら、きっとレイは笑う。

　そしたら、俺はレイを殺す。
　……その為には、目は必要だ。

　目玉がなきゃ、最高の笑顔にはならねぇ……。


　……きっと、
　悠だって、レイの目玉はやんねぇだろうよ……。」


俺は口角を吊り上げて、
ニッと笑みを深めて言う。