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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第14章 Floor B2 ー地下2階ー





『ザッ…ク……?』

「……どんな目玉だろうが、
 悠……。

 お前はお前だ。

 自信を持てよ。
 隠そうとすんじゃねぇ。」


俺をそっと見上げた悠の瞳は、
不安そうに揺れていた。


……俺には、そんな言葉をかけてやることしかできねぇ……。


だけどな、悠。

この気持ちに、嘘なんかねぇよ……。



悠は、
何かを決意したかのように唇を引き結んだ。

そして、ふっとダニーに目線を移した。


『……ダニー先生…。
 消えてください。
 非常に目障りです。

 ……それと、レイは貴方には殺させません。』

「……そう。
 残念だよ、悠。

 じゃあ、僕はこれでおさらばするとするよ。
 ……また、何処かで会うかも知れないね……。」


ダニーは足を引きずりながら、去っていく。


『っ…………。』

「悠……っ!?」


悠がその場に崩れ落ちそうになった。

俺は、そんな悠をかろうじて抱きとめた。


『ん…?
 ザック……どうしたの?

 そんな、変な顔して……。』


悠は、少し億劫そうに首を傾げて、
俺の包帯だらけの頬に、そっと触れた……。



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