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進撃の巨人/短編集

第1章 プライドが許してくれない


お題配布元:https://twitter.com/memo_kiri



***



午前五時、私は何故か深い眠りから目覚めた。
それまでの間は夢を見ていたような気がしたが、その内容が殆ど記憶に残っていなかった。
けれども、今私の隣に熟睡している貴方がその夢の中に姿を現していた。そのことばかりは忘れていなかった。

リヴァイ兵長、貴方はきっと知らなかっただろうが、私は貴方を羨ましがっていたし、嫉妬さえしていた。

あの日、貴方が突然に私たちの目の前に現れた。地下街出身のゴロツキのくせに、何傍若無人に振る舞ってんだと、周りは貴方の入団が納得が行かなかったのだ。あの頃、既に分隊長の地位にある私は貴方に対して興味すら持たなかった。当然のことながら意見をも示さなかった。
その後、壁外調査にて抜きん出た力の強さを発揮した貴方は、調査兵団内部に漲った不満を晴らさせた。その時、私は初めて貴方に目を奪われた。貴方の強さにではなく、貴方のその孤独な色を帯びた漆黒の瞳に惹かれたのだ。

私は矛盾だった。貴方に魅せられる一方、貴方に嫉妬のようなの感情を抱いた。
元から人の心を惹きつける能力を持つ貴方は数多くの調査兵に慕われてきた。本来なら部下に囲まれるのは私だったというのに。それが気に食わなかったのだ。
いつからか、私の瞳には貴方しか映らないようになった。それでも私は自分の本当の気持ちに気づかなかった。只々貴方のことが憎たらしかった。

「リーナちゃん、君はリヴァイに惚れたんだろう」
「え、何言ってるのハンジさん!?そんなことがある訳ないでしょう!」
「でも、リーナちゃんはいつもリヴァイのことしか見てない気がするよ?そろそろ自覚を持ったら?」
「……」

そんなの、あり得ない。
私のプライドが許してくれなかったのだ。いくら貴方のことが好きになっていても、それを認めようとせずに強がる私がいた。
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