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Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第32章 ep32 意味





わかった、かもしれない。



りこの言葉の意味が。


やっと、やっと。






わかった途端に、彼女に会いたくてたまらなくなった。







(りこ、ごめん、俺、お前のこと・・・・・・!)





脳裏に浮かぶのは、彼女だけ。



2人で並んで帰る帰り道、差し出した手にぎゅっと抱きつく姿、
照れたようにはにかむ顔、花が咲くように美しい笑顔・・・




早く、会いたい・・・・・・





及川はバレー教室が終わるのを、今か今かと待ち望んでいた。






ーーー・・・










ようやくバレー教室が終わり、これから帰れると思ったが、



何故このタイミングで、何故この場所で、何故お前が現れるんだよっ








「及川さん、話を、聞いてください!」




そこに居たのは、及川が人生で凹ませたい相手のうちの1人、

中学の後輩、そして今は烏野高校のセッター、影山飛雄だった。




何か話したいことがある様だが、生憎今は構ってる時間はなかった。



「何?俺、忙しいんだよね・・・」


と早く切り上げようとするが、



「彼女に振られたから暇だって言ったじゃん!」


事情も何も知らない可愛い小憎たらしい甥っ子が余計な事を口走る。




「猛、ちょっと黙ってなさい!」


「え〜、来る時、何がいけなかったんだろうって!」


「黙ってなさいって言ってんの〜!!」







そんな醜態をこいつの前に晒された挙句、俺は奴の話を聞くハメになったーーー・・・














その日の夕方、及川は走っていた。



理由は、先ほどりこに送ったメッセージだ。





"これから、会って話したい。今、家?"




返事は少し間が開いて、きた。


"家だけど"




一瞬、嫌だけどに見えた。


拒否されたって、行くけど。




猛はまたどこかへ遊びに行ったし、飛雄は・・・知らない。



自分は真夏に、汗だくで、こんなに必死に走って・・・


柄にもないってチームメイトなら笑うかな?

いや、それは俺だって思うよ。だけど、



普段絶対こんな事しない、


それをするのは、もう、本当に


お前の為なんだよ、りこ・・・・・・
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