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Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第32章 ep32 意味






「えー!?りこねぇちゃん、最近会わねぇと思ったら徹振られたのかよ!」



「声が大きいよ、猛!まだ振られてないし」




自分の口から、まだ、と言う言葉が出てくるのが悔しい。一生来ないで欲しい、そんな日なんて。




甥っ子の猛をバレー教室の会場まで送りながら、及川はまたりこのことを考える。




試験は上手くいったかな。



昨日、久しぶりにりこに頑張れと一言メッセージは送ったが、ありがとう、と返事が来ただけ。



もう、今日は家にいるんだろうか・・・






「俺のどこがいけなかったのかな・・・」




誰も教えてくれないそんな問いかけを、甥っ子の猛は不思議そうに聞いていた。







「顔じゃねーの?」


「もう猛にアイス買ってあげないから」







ーーー・・・







猛の参加するバレー教室を、体育館の上のギャラリーでぼんやりと見学する。





参加者は小学生対象のもので、まだ体の発達途中な少年少女ばかり。



みんなニコニコ、キラキラして、ボールに触れている。






自分や岩泉、そしてりこにもこんな時代があったなぁと、ふと思う。





始めた頃は頭によくボールが当たったり、レシーブすれば腕が赤くなったり、空ぶったり・・・




それでも夢中で続けて
少しずつ上達して、今では自分の人生の大半を、

この時間に費やして来た。





岩泉も、


りこもみんな・・・












りこは一度はバレーから離れようと決めたけど、自分の言葉でもう一度戻って来てくれた。




マネージャーとして、チームを支えてくれる彼女。



そして、自分の恋人として、そばに居てくれた彼女・・・





初めて彼女を抱いた時、初めて、彼女に好きだと告げた。





そのきっかけは・・・









「っ!!!」









その時、及川の中で、バラバラだったパズルが一つになる様にクリアになった。







"信じてる"って・・・・・・!












及川は今、すぐ、


りこに会いたくてたまらなくなったーーー・・・
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