第5章 第三次忍界大戦
「姉さん..!よかった..、」
イタチは私の上に乗ったままギューッと強く抱き締めてきた。
心なしか、声が震えているように感じて、相当心配かけたんだな。と他人事のように考えたあと、嬉しくなって、私もイタチをギュッと強く抱き締めた。
『心配かけたみたいだね、ごめん。』
「ほんとだよ、姉さん..」
私たちはしばらくお互いを抱き締めあった。
しばらくすると、イタチが私の上から退いて、離れた。
寂しいなんて思ってない..!
「..姉さん。」
イタチは私の顔をジッとみて何かを読み取ろうとしている
『?、どうしたの?』
「..泣いた?」
『..!』
「やっぱり。」
そこまで言うとイタチはため息をつきながら、また、私を抱き締めた。
『..イタチ?』
「...無理、しなくていいんだよ?」
『.....』
「ほんとは、辛いんでしょ?泣きたいんでしょ?」
『イタチ...』
「俺の前では無理しないでよ。俺の前では、泣くの、我慢しないでよ」
イタチはそう言うと、私を強く抱き締めた。
『...っ、』
イタチの言葉に我慢していた涙が、また溢れ出す。
それに気づいたイタチは私の頭を優しく撫で始めた。
『...っ、イタチ..恐かったっ..』
「うん。」
『すごく、、恐かったの』
私はイタチの肩に顔を埋め、ギュッと強く抱き締めた。
「..誰だって...死ぬのは恐いものだよ」
イタチは私の頭を撫でたまま、そう言った。
『違うの...』
「?」
私が何よりも恐かったのは...
『家族を...イタチを..失うのが、恐かったぁ...』
「...!」
私はそこまで言うと静かに声をおさえて泣き始めた。
恐かった。一番、恐かった。里のみんなを、家族を、イタチを...失うのが何よりも、何よりも、恐かったんだ。
あの忍たちにイタチが狙われる、恐い思いをさせる、イタチを...失う。
そう、思うと、頭に血が登って何をどうしたらいいかわからなくて、気がついたら、あの血だまり化したところに立っていた。
ただ...ただ、失うことが、恐かった。