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【進撃の巨人】狙われる盗賊【山奥組+マルセル】

第1章 お面の盗賊


悪魔の末裔共の住処に来て5年が立った。

ライナー達より2年早く訓練兵に入団しお互い嫌なくらいここに住んだものだった。

俺とアニは憲兵団に入り、ライナーとベルトルトはエレンの監視役として調査兵団に入ることになった。

たまに顔を合わせながら情報交換をし、その時期が来るまで身を潜めていた。

…そして俺は目撃したのだ。

寮に戻るため夜、街の中を歩いていると何やら叫び声が聞こえたのであった。

声がする方へ顔を向けると俺と同じ憲兵が物件を守りながら何かと戦っていた。

どうやらあいつらは違法物件をしており、今それを届けるところだったらしい。

悪魔らしいやり方だと鼻で笑うがそれはスグに入れ替わるのだった。

憲兵と戦っている白いパーカーにフードをかぶっている者。
短剣を持ち替えながら華麗に攻撃する。
蝶のように舞い蜂のように刺すという言葉はまさにこの事だった。

「……っ!!こいつぅ!!!」

憲兵は何度も銃で応戦するが、弾丸をヒラリと華麗に躱し、短剣を憲兵に向けて投げつける。

短剣が憲兵の手に刺さり、憲兵は腕を抑えうずくまると同時にその者は蹴りを顎に食らわす。

憲兵は結構な力を喰らわれたため意識を失い、倒れる。

残った一人の憲兵は仲間がやられたため怯えながらその場から逃げたのであった。
よく見るとその者は異質なお面をつけており倒れた憲兵を少し見つめたあと荷物の中身を確認する。

しばらく確認したあと食料などを取り出し、残りの者には目もくれず立ち去ろうとする。

小柄だが短髪であの動きは女にはできないため、男だと思い込む。

お面男が立ち去ろうとする時に俺は声をかけてしまった。

「おい。お前強いな。」

『……っ!!!』

急に声をかけられたせいか、俺に顔を向け短剣を構える。

「おうおう、落ち着け!別に捕まえたりはしねぇよ。」

敵対が無いことを見せつけるため両手を顔の横まで上げてひらひらと振る。

少し警戒が解けたからか短剣を少し下げるお面男にホッとする。

「強いなお前……取引しねぇか?」

『…………??』

なんの話をしているのが分からないのか首を傾げる。

その仕草が可愛らしく思わず息をつまらせるも相手が男だと我に返り話を続ける。

「お金ならいくらでも出す。ある人物を捕まえて連れてきてほしいんだ。」

そう伝えるとお面男はピクっと肩を揺らす。
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