第8章 もう帰るんだ……
顔をじりじりと照らす光に目を覚ました。
ゆっくりとまぶたを持ち上げて、そのまぶしさにぎゅっと閉じる。
「ん……」
まぶし……朝?
カーテンの隙間から容赦なく差し込む朝日を避けつつ視線を巡らせると、どうやら自分がリビングのソファーに横になっていることがわかった。
台所の方から何か音がする。
なんだっけ……と曖昧な記憶を探りつつ起き上がると、下腹部に変な痛みがあった。
ついでに頭も痛い。
そのダブルパンチでぼんやりと思い出してきた。
「そうだ……」
昨日の夜、私花宮と……。
カァーッと熱が高まっていく。
ところどころの記憶はあやふやだけど、しっかりと覚えている。
見下ろしてきた視線も、触れ合った肌も。
「うわぁ……」
昨日は体にアルコールが入っていたから平気だったけど、なんか、今思い出すと、やばい。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
記憶を回想して身悶えていると、ふわりとしたお味噌のにおいが鼻腔をくすぐった。