第6章 梅酒のんでやる!
バタンッ、と自室のドアを閉める。
私は抱えていた梅酒の缶とガラスコップを折りたたみテーブルの上に乱暴に置いた。
「絶対、私のことからかってる!」
プルタブを持ち上げれば、シュカッと気持ちのいい音が鳴り響いた。
そのままぐびりとあおる。
喉が熱くなった。
「っぷはー!! これこれ、これだよ!」
甘く爽やかな香りが鼻から抜ける。
やっぱり梅酒は美味しい。
週末のお酒、最高!
もふっとしたクッションに座って、今しがた開けたばかりの梅酒をコップに注いだ。
カラカラ、と入れておいた氷が回る。
「そもそもあいつのこと気にしすぎなのよね。私の方が年上なんだから、もっとどーんと構えてればいいのよ。男に慣れてないからって、意識しすぎ!」
コップを傾けると、氷がカランと鳴った。
「っていうか、横暴すぎない? 人の家でさぁ、今どきの高校生ってどうなってるの……無駄にイケメンだし」
再びコップを傾ける。
いつもよりも飲むペースが早いけれど、気にしない。
今はとにかくのみたい気分だった。
「あれで主将だっていうんだから驚きだよね。普段どうしてるんだろ」
ふはっ、と人をバカにするような笑い方。
むかつくけど、妙に似合ってるんだよなぁ。
──まだ何か用あんのか?
思い出すだけで顔が熱くなる。
少し期待した自分が恥ずかしい。
「あー、もう!! 今日はとことんのんでやる!!」