• テキストサイズ

君の計算を狂わせたい【黒バス/花宮】

第4章 そういえば自己紹介もまだだった




待ちわびていたはずの金曜日、夜。
 
我が城は、タチの悪い年下男に落とされてしまった。
 
 

いつ敵から無慈悲な命令がくだされるのでは、と私は身構えていたのだけれど、お風呂からあがってどこか機嫌の良さそうな彼の様子に、私はすぐに首をかしげることになった。
 

冷たい麦茶を要求される。

ガラスコップに氷を落として、冷えた麦茶を注いだ。
 

あれ?
 
私は再び首をかしげてみる。
 
おかしいな……。
 
 
彼はコップ片手に、ソファーに気だるげにもたれていた。

湿った黒髪が端正な顔と相まって、色っぽい……じゃなくて。
 
 
だってさ、さっきさ、すごかったじゃん。
 
お前の人生における自由は全てなくなったんだ、ってくらいの気迫だったじゃない。
 
にも関わらず、今は私にはなんの興味もないように、ふわりとあくびをしているのだ。
 

あれえ?
 
なんだか……拍子ぬけ。
 

脱衣所での出来事が夢だった、なんてことはさすがに思えないけど。
 
彼のわずかに上がった口角や細められる瞳を見て……もしかして、私より優位に立ちたかっただけなんじゃあ? とか思えてきた。
 

とりあえず、しばらくは様子を見てみよう。
 



/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp